アストロロジカル・サイン

TW2、シルバーレインのPC『終日魁斗』『神代結城』『白夜ほのか』『終日揺光』のブログ兼SS置き場。

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【SS】違和感.1





“空白は何もないから空白だ。そこに何かが見えているとすれば、それは錯覚なのだろう。

 問うべきは一つ。何かあるという錯覚なのか、何もないという錯覚なのか”










「さてトトちゃん。次はこれお願いね」

「って、まだ働かせるのかあんたは」

「冗談よ。お疲れ様トトちゃん・ご褒美にお仕事なんだけど、ちょっと近くの霊地まで行ってきて頂戴」

「結局働かせるんじゃねぇか」

「まぁまぁ、そういわず。はいこれ書類、これ経費。お願いねトトちゃん」

「わーったよ……ってか、俺のことを名前で呼べないのはいいんだけどさ、もっとマシな渾名はないのかよ」

「マシって、いいじゃないトトって響き。呼びやすいし。可愛いし」

「はぁ……そんな渾名つけるなよ」

「何言ってるのよ。トトって渾名、私がつけたわけじゃないわよ?」

「……は?」

「契約のとき、貴方に真名と呼名を聞いたときに答えたのよ、そういう風に」

「答えたって、あの時俺はそもそも言語なんて」

「不思議なことにね。真名と呼名は答えたのよ」

「……覚えてないぞ、そんなの。そもそも、あの契約で名前なんて聞いたのか」

「――覚えてないの?」

「一切」

「本当に?」

「あぁ」

「魁斗。そのときのことを、主観で全て話しなさい」

「……あの時の契約はあんたの手を取ったところしか知らない。その後雷が鳴って、ゴーストは消えてて、その後……確か気絶して、目を覚ましたらBBBにいた」

「そう、分かったわ。……分かったついでに一つ言っておくとね。あの時ゴーストを倒したのは、私じゃなく貴方よ」

「俺が?」

「どう、とは言わないけど。恥ずかしながら、あのときの私は契約に手一杯でね。ちょっと危なかったのよ」

「……ありえない。不可能だろ、それは。俺は戦闘技術なんて何一つ……」

「持っていなかった、はずだった。けれど貴方は私の目の前で魔術を使って見せたわ。そこから考えうる推論は二つ。『そのときまでは、貴方は全てを覚えていた』。もしくは、『貴方は本来、戦うことに思考を必要としない』」

「……」

「貴方はやっぱり異常だわ。心も体も精神も記憶も……終日魁斗って存在自体が壊れていたのに、貴方は普通の人間として生きすぎている。
 生物はね、デリケートなのよ。修理なんて出来ないの。自身で治せる分を超えた怪我は、生涯残る。そしてそれは、生命活動に必ず支障をきたすわ。私程度の介入で死を免れるなんて本来不可能なわけ。
 異常なのよ、あの廃人状態から復活できたことが。生きているにしては、自己保存力が人間の範疇を超えている。まるで……生物じゃないみたいに」

「生物じゃない……」

「生きているけど、生物じゃない……そんなものに、心当たりが一つだけあるわ。それはとても強靭な自己保存力を持っていて、生物としては大きすぎる類のもの。それは――」

「――もう、いい。……言ったろ、過去の詮索に意味はないんだって。俺だけの記憶で、俺だけのことなんだから。俺が捨てればすべて終わるんだ。いちいち掘り返すまでもない」

「そうね。確かにそうだった……けれど、それは過去の話」

「……っ」

「今は、違うでしょう? 貴方の過去を知る人が、一人いるじゃない」

「それは……」

「あの子が貴方の事で悲しむのはね、裏は取れないけど、貴方が何も覚えてないことに対してじゃあないはずよ。貴方の身に起きた何かについて、負い目を感じているんでしょう。
 終わらせたいなら、すべて知らなきゃいけないわ」

「……どうしろって、いうんだ」

「それが分かれば私も悩まないんだけどね。揺光ちゃんからは聞いてみた?」

「聞いた。けど答えてくれなかった。俺がどう生きていたのかは聞けたけど」

「どうだったのかしら」

「……今と同じ。誰かのために生きていて、誰かのために戦って、誰かのために傷ついていたって」

「……そう」

「あぁ、でも――」

「でも?」


「今のほうがいい、とも。誰かを愛せるようになってくれて、嬉しいって。……昔の俺は、そんなに機械じみてたのかね」


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